
![]() The Life Of Miles Davis "So What" マイルス・デイヴィスの生涯より |
【マイルス談】 ブルースは教わってプレイできるようになるもんじゃない。ただやるだけだ。 コードなんていちいち考えちゃいない。ただやってくるだけだ。正しい音になる ように、音の配置ってことは学ぶかもしれないが、それにしたって 「これをやったらおかしなコードになるからやらない」というだけの話さ。 昔は違う音にしたくて、違うことをためした。代理コードとか。 でも今はもうそんな趣味の悪いことはしないね。 【画家:プロフェット・ジェニングス談】 覚えているさ、あの晩のことは、、、、マックス・ローチとクリフォード・ブラウンが デトロイトにあるクラブで演奏していたんだ。クリスタルラウンジという店 でね、、、、その晩、クリスタルラウンジはブラウニーとローチの 凄い演奏で、火がついた状態になっていた。マイルスは、ちょうどその頃、 デトロイトに住んでいた。その晩はどしゃぶりの雨が降っていて、ブラウニーが 演奏を終えてステージをおりたところだった。 ステージはまだ熱気が収まってなかった。 クリフォード・ブラウンの奴、ステージに火をつけやがったんだ、、、 するとドアがあいて、マイルスが店に入ってきた。外は雨だったんで、レイン コートの襟を立てていた、、、マイルスはブラウニーに近づき、トランペットを貸して くれ、と言ったんだ。そしてコートのポケットからマウスピースを取り出すと、 ブラウニーのトランペットにそれをはめ、、、ピアノを足場にして、ステージに よじのぼった。そしてトランペットをくわえると、あの野郎は 「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」を吹き始めた。ブラウニーはそこに突っ立ったまま、 やれやれという風に頭を振っていたよ、、、あのちっぽけな黒んぼ野郎ときたら、 興奮しきった店のさなかで客を泣かせたんだ。演奏を終えると、マウスピースを外し、 レインコートをはおり、ブラウニーにトランペットを返し、出ていった。 そんな野郎だったんだ。俺は見たよ。その場にいたんだ! |
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